10. 痕


「ん……ふぁ……」
 ハボックはロイの頭を抱き締めるようにして深く唇を合わせる。ぴちゃぴちゃと舌を絡め口内を縦横無尽に舐め回せば、クククとロイの笑いが吹き込まれた。
「がっついてるぞ、お前」
「アンタが焦らすからっしょ?」
 そう言葉を交わす間にもハボックは何度も何度もロイに口づける。飲み込みきれない唾液が互いの唇の端から零れて、首筋を濡らした。
「ほら、お前があんまりがっつくから」
 ロイはそう言ってハボックを軽く押しやると首筋を流れる銀色の痕を舌で辿る。キュッと軽く噛めばハボックが首を仰け反らせて喘いだ。
「あん……ふ…ッ」
 ロイは仰け反った首筋から鎖骨を辿り唇を胸へと滑らせる。プチリと立ち上がった乳首を唇に含むと軽く吸ったり舌先で転がしたりして弄んだ。
「んふ……くぁ…ッ、たいさ…ッ」
「ふふ……サクランボみたいだ」
 ロイは言って口に含んだ方をきつく吸い上げると同時にもう一方を指先で摘んでギュッと引っ張る。そうすればハボックが乳首で胸を吊り上げられるように胸を突き出して喘いだ。
「や、あんッ、…やあッ!」
「相変わらず弱いな、ここ」
 ロイは楽しげに言いながらハボックの乳首を吸ったり引っ張ったりする。キチと歯を立てられて高い嬌声を上げるハボックに、ロイは低く笑った。
「一人でいる間、ここを弄ってたのか?ハボック」
「……し、知らね……ッ」
 カアッと顔を赤らめるのを見れば『そうだ』と言っているようなものだ。ロイは笑みを浮かべると乳首から唇と指を離して言った。
「せっかくだ、今日はお前の望むやり方でドキドキさせてやろう」
「……え?」
「私と会えない間、どうやって自分を慰めていた?ハボック。言ってごらん」
「な…ッ」
 そう言って顔を覗き込んでくるロイにハボックが弾かれたように身を引く。ソファーに腰掛けた己の脚の上から飛び降りてしまいそうなハボックをすんでのところで引き留めて、ロイはハボックを見つめて囁いた。
「言ってごらん。私にそうされたかったんだろう?」
「え……あ……ッ」
 言われてハボックの顔が茹で蛸のように赤くなる。恐らくは思い出してしまったのであろう自分の痴態に、真っ赤な顔でパクパクと口を動かすハボックにロイはうっとりと笑いかけた。
「言って?ハボック……私をドキドキさせてくれるんだろう?」
 低い声で甘く囁けばハボックがビクリと震える。ハボックがこの声に逆らえない事をよく判っているロイは、優しくハボックを呼んだ。
「ハボック……」
「ッッ!!」
 ビクンとハボックの体が大きく震える。ハボックはギュッと目を閉じるとロイに手首を掴まれたまま消え入りそうな声で言った。
「胸……弄って……」
「こう…?……それから?」
 ロイは空いている方の手でさっき散々弄んだ乳首をキュッと摘む。ビクッと体を震わせるハボックに構わず、クリクリと指先で捏ねながら先を促した。
「……やだ……ッ、恥ずかしい…ッ」
「じゃあやめるか?」
 紅い顔でギュッと目を瞑って首を振るハボックにそう言えば、空色の瞳がハッと見開く。
「嫌っス!」
 そう叫ぶハボックを見つめてロイは優しく笑った。
「それなら言ってごらん。言ったとおりにしてやる」
 ロイの言葉にハボックはゴクリと唾を飲み込む。ずっとずっとロイが欲しかったのだ。これ以上焦らされるのは堪らなかった。
「う……うしろ…っ、指挿れて……掻き回して…ッ」
「指を?」
 繰り返せばハボックが紅い顔でコクコクと頷く。ロイが腕から離した手をハボックの口元に持っていけば、ハボックが口を開いて指を舐め始めた。
「う……ふぁ……」
 ぴちゃぴちゃとたっぷりと唾液を塗すのを見つめていたロイは、ハボックに掴まっているように言って指を引く。ハボックの手が己の肩に掴まるのを確かめてから、ロイはハボックの腰を引き寄せるようにして双丘の狭間に指を滑らせた。
「ここに挿れたのか……?何本…?」
「…ッ、……さ、三本…ッ」
「欲張りだな」
 ククッと笑ってロイは唾液に濡れた指をハボックの蕾に潜り込ませる。くちゅくちゅと掻き混ぜながら一本二本と指を増やしていけば、ハボックが腰を揺らめかせて喘いだ。
「アッ、くぅん……ッ!ハア…ッ!」
「一人でこんな事をしてたのか?イケナイ犬だな……」
「だって……アアッ!!」
 沈めた指をクイッと折り曲げてハボックのイイところを突いてやればハボックが胸を仰け反らせて喘ぐ。ハアハアと息を荒げるハボックを楽しげに見つめていれば、ハボックが荒い息の合間に言った。
「たいさ……ッ、も、我慢出来ない…ッ!大佐を頂戴ッッ!!」
「ハボック」
「オレ……もう、カラカラっス!……これ以上大佐を貰えなかったら……干からびて死んじゃう…ッ」
 そう言ってハボックは蕾を弄るロイの手に尻を押しつける。イヤラシく腰をくねらす様に、ロイもこれ以上我慢する事は出来なかった。
「……仕方のない犬だ」
 熱く興奮した声でそう囁いてロイは乱暴に指を引き抜く。そうしてハボックの腰を引き寄せ、滾る自身の上に一気に引き下ろした。
「ヤアアアアッッ!!」
 ズブズブと貫かれてハボックが背を仰け反らせて高い悲鳴を上げる。ガツガツと突き上げれば、ハボックの体が面白いように跳ねた。
「アアッ!!ひゃうんッ!!ヒャアアッ!!たいさァ…ッ!!」
「ハボック……ハボックっ!!」
 ロイは容赦なく突き上げながらハボックの首筋や胸にきつく唇を押し当てる。そうすれば浮かび上がる紅い花びらから沸き上がる快感が、下肢から生まれる快感と混ざりあって、ハボックを更に深い快楽の淵へと引きずり込んだ。
「あ、あ、あ……イイ…ッ!!気持ちイイっっ!!」
 一人では決して得ることが出来なかった快感と充足感にハボックは身悶える。瞬く間に追い上げられて、ハボックは二人の腹に熱をぶちまけた。
「ヒャアアアアッッ!!」
 涙に濡れた空色の瞳を見開いてハボックは大きく体を震わせる。それと同時にきゅうきゅうと含んだロイを締め付ければ、ロイが眉をギュッと寄せた。
「く……ぅッ!」
 堪らずハボックの最奥を穿つと、ロイは熱い内壁に熱を叩きつける。ハボックの体を掻き抱き、その肩口に思い切り歯を立てた。
「ひ……ンッ!」
 痛みという名の快感が背筋を駆け抜け、ハボックは目を見開いて背を仰け反らせる。互いに快感に体を震わせたと思うと、がっくりと力が抜けた体を抱き締め合った。
「あ……たいさぁ……」
 甘ったれた声で己を呼ぶ唇をロイは乱暴に塞ぐ。きつく舌を絡めながらハボックの体にあちこち散りばめた紅い花びらを指で強くこねた。
「ほら、ハボック……いっぱい痕をつけてやったから……。今度一人でする時はここを弄りながらシてごらん……」
 耳元に低く囁けばハボックの体がビクビクと震える。ハボックは胸や腕に散る花びらを見て言った。
「これじゃ足りないっス……もっと、もっとつけて…?」
言ってハボックは甘えるようにロイの髪を指に絡める。そのまま己の胸にロイの顔を引き寄せるハボックにロイは言った。
「欲張りな犬だな」
「躾がなってないっスもん……」
 欲に濡れた空色にうっとりと笑って、ロイはハボックの体をソファーに押し倒すと、望むままにその体に痕を刻んでいった。


2010/11/03


ずっとカプ色なしでお題やってきましたが、エチになったら無理だろうと最初に書いたのがロイハボ版でした。結局書きなおしたわけですが、折角書いたのに勿体ないと貧乏症でアップ(笑)やっぱりカプ色あった方がエロくなるかなぁと思ったり。